知るともっと美味しい、牛乳の基礎知識

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私たちが日頃、何気なく飲んでいる牛乳ですが、その種類はとても豊富にあります。

品種の違いや加工方法の違いを知り、改めて牛乳を選び直してみると、驚きの美味しさに出会えるかもしれません。

その深い牛乳の世界を少しだけ覗いてみましょう。

乳牛の品種の種類

いでぼくのジャージー種の乳牛 世界中で約800種が存在するといわれる乳牛。そのなかでも世界五大品種と言われるのが、ホルスタイン種・ジャージー種・ブラウンスイス種・ガンジー種・エアシャー種です。

日本で馴染みのあるのが、黒と白の斑紋がトレードマークのホルスタイン種。オランダとドイツ北部のホルスタイン地方が原産地で、明治時代に日本に輸入されたと言われています。大きな体で搾乳量も多く、乳牛として世界で最も多く飼育されている品種です。

ジャージー種は、イギリス海峡のチャンネル諸島に属するジャージー島を原産地とする品種で、褐色の毛色が特徴。味は濃厚で脂肪分が多く、チーズなどの加工品に向いています。ジャージー種やブランスイス種はホルスタインよりも飼育が難しく、乳量も劣るため、主流はやはりホルスタイン種となっているのが現状です。

牛乳の種類


飲用の牛乳は、厚生労働省が定める「乳及び乳製品の成分規格等に関する省令」や全国飲用牛乳公正取引協議会が定める優良表示基準により、使用する原材料や成分によって次のような分類で分けられ、容器に表示されます。

牛乳

原料が生乳100%で成分の調整を加えず、加熱殺菌したもの

特選

全国飲用牛乳公正取引協議会が定める優良表示基準を満たした生乳のみを原料につくられたもの

成分調整牛乳

原料の生乳から水分や乳脂肪分、ミネラルなど、成分の一部を取り除き、殺菌したもの

低脂肪牛乳

原料の生乳から乳脂肪分の一部を取り除き、殺菌したもの

無脂肪牛乳

原料の生乳から乳脂肪分をほとんど取り除き、殺菌したもの

加工乳

生乳や牛乳を原料に製造したクリームやバター、脱脂粉乳などの乳製品

乳飲料

生乳や乳製品を主原料としてコーヒー・果汁・糖分や栄養分を加えた飲料

各分類の成分規格は以下の通りです。


※1 無脂乳固形分とは…牛乳から水分・乳脂肪分を除いた成分のこと。そのなかにはたんぱく質や糖質・ビタミン・ミネラルといった栄養成分が含まれる
※2 乳脂肪分とは…牛乳に含まれる脂肪分のこと。脂肪分が多いとコクのある味わいになる
※3乳固形分とは…乳製品の中の水分以外の部分のこと

牛乳の殺菌方法の種類

殺菌温度に熱せられた管を通り殺菌される(富士の国乳業の殺菌設備) 先述の通り、一言で牛乳と言ってもさまざまな種類がありますが、基本的にはどんな牛乳でも必要になるのが加熱殺菌の工程です。

牛から絞った生乳には、飼育の過程で微生物が含まれている場合があります。 そのため、販売するためには、人に害がないように殺菌することが法令で義務付けられているのです。

殺菌には、大きく分けて次の3つの方法があります。

  • ・超高温殺菌:120~150度で1~3秒間加熱殺菌する方法
  • ・高温殺菌:72~75℃で15秒間加熱殺菌する方法
  • ・低温殺菌:63~65℃で30分間加熱殺菌する方法

日本の牛乳は、9割以上が超高温瞬間殺菌で処理されたもの。低温殺菌に比べて1万倍もの殺菌効果があると言われています。

瞬間的に殺菌処理ができ、大量出荷のための効率性を重視した手法ですが、その反面、有害な菌だけでなく有用な菌まで死滅させてしまうというデメリットも。また、高温殺菌で処理された牛乳は、成分が焦げ付き、臭みやネバつきが出てしまうとも言われています。

一方、高温殺菌や低温殺菌の場合、超高温瞬間殺菌に比べると細菌効果は弱いですが、人にとって害のある細菌は死滅するため、心配の必要はありません。冷蔵保管すれば安心して飲むことができます。

特に低温殺菌は、低い温度で時間をかけてゆっくり殺菌するので、たんぱく質の変性が少なく、生乳本来の生クリームのような濃厚さと甘み、そして、スッキリとした喉ごしが楽しめます。

パスチャライズ牛乳とノンホモ牛乳

富士の国乳業のホモジナイザー 低温殺菌の牛乳をすでに知っている人なら、「パスチャライズ牛乳」「ノンホモ牛乳」という呼び方も聞いたことがあるのでは?

パスチャライズ牛乳とは、生乳の風味を大切にするために、有用な菌を残す温度で殺菌された牛乳のこと。国際非営利団体の国際酪農連盟(IDF)は、63℃で30分間・65℃で30分間・72℃で15秒間殺菌された牛乳をパスチャライズ牛乳と定義しています。つまり、上述したなかで低温殺菌と高温殺菌の一部がパスチャライズ牛乳に当たるということです。

超高温殺菌牛乳よりもたんぱく質が変性が少なく、体内でゆっくりと消化されるため、お腹にやさしく、栄養吸収の効率が良いのが特徴。

そして、ノンホモ牛乳もパスチャライズ牛乳の一種です。生乳に含まれる脂肪球を小さくする「ホモジナイズ」と呼ばれる工程を行っていないので、より生乳に近い風味が楽しめます。容器を振らずに置いておくと、上部に脂肪分が浮き、クリームの層ができるのがノンホモ牛乳の特徴。バター作りにも使える贅沢な牛乳です。

牛乳の味は季節や体調、餌によっても変わる

さらに、夏は脂肪分が少なくあっさりとした味わいになり、冬は脂肪分が増えて濃厚な味わいになるといった季節による特性や、牧場ごとに与える飼料や飼育方法の違いでも味が変化するなど…牛乳の世界は本当に奥深いですね!

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