日本が誇るブランド牛とは?③【全3回】
第二回では、日本に存在する和牛ブランドを一部ご紹介いたしました。 第三回ではさらに西へ。和牛の原点でもある但馬牛を始めとした、中部~群雄割拠の関西エリア~和牛大国・九州までをご紹介いたします。 その前に、海外における和牛について触れていきます。
海外で愛される和牛。なぜ日本のブランド牛は世界を魅了できるのか?
日本の牛肉の輸出は年々増えてきています。特にアジア圏への輸出量は全体の7割程度を占め、北欧エリアは2割、EUなどが1割です。 その中でも神戸牛、松阪牛は人気で2021年の156万トンを年々上回っていて、日本のブランド牛は世界でも愛されていることがわかります。 人気の理由の一つとして、神戸牛(但馬牛)は赤身が強くでる事が特徴で、赤身志向の外国人の舌を唸らせているのではないか?と感じつつも 和牛の特徴でもある「霜降りの甘みと赤身のこく」が海外でも指示されるのはなぜなのか?という疑問も湧いてきます。 食肉文化の強い海外において、牛肉といえばステーキのイメージが強いです。私達日本人の常識から考えても海外で食されている牛肉はとてもサイズが大きく しっかりした赤身のお肉が日常的に食されています。 その中で、和牛が世界各地で人気を得ているのか?を調べてみると、霜降りの旨味などが圧倒的な和牛は「量は少ないが、ボリュームがなくても満足感が高い牛肉」 と評されているようです。普段、海外で食されている牛肉の概念を「日本の和牛」は覆しているんですね。という事を考えると、日本ならではの「和牛肉」は日本食の1部として海外を魅了しているようにも感じます。
日本のブランド和牛が世界で活躍してくために
日本の牛肉の輸出は、様々な輸出食品の中でもハードルが高いのも事実です。検疫の課題、とさつ場の課題、法律の壁、国際情勢など様々な要因が絡んできます。 日本の食肉消費は人口減、新しい食文化の浸透、海外輸入肉の存在など国内事情も変化し続けています。そんな中、日本の和牛を生産し続けている生産者が減少している事も 事実でもあります。和牛産業の活路の一つになるのが「海外輸出」でもあるなかで、各地のブランド和牛は世界で勝負できる高いクオリティを磨きながら食料輸出の可能性を どんどん広めていっています。さらに日本の誇る宝である「ブランド和牛」の存在をより多くの日本人に知ってもらい事も、更なる発展には欠かせない事だと思います。 日本の畜産がもっと元気になっていくためにも、日本人にその活動や魅力を知ってもらう事も大切な事だと感じています。
各都道府県のブランド牛とチクタグに掲載しているブランド牛をご紹介いたします
日本海の恵み。山陰・山陽エリア
【岡山県】 千屋牛・・・岡山以外ではあまり食べることができない希少なブランド牛。先祖は日本最古の竹の谷蔓 【広島県】 広島牛・・・神石牛と比婆牛を掛け合わせた優良血統の高級黒毛和種 【島根県】 石見和牛・・・年に200頭のみ生産される希少種。未経産の雌牛に限られる 【鳥取県】 鳥取和牛オレイン55・・・鳥取を代表する牛肉。オレイン酸を55%以上含有させることで脂肪の融点が低くなめらかな口どけ 鳥取いなば万葉牛・・・鳥取県産黒毛和牛の中でも厳しい選考基準を満たした希少なブランド牛 【山口県】 見島牛・・・明治時代から食用とされてきた伝統的な黒毛和種。但馬牛系が特徴日本の和牛発祥・関西~四国エリア
【三重県】 松阪牛・・・知らない日本人はいない。国内屈指の3大和牛。歴史ある名ブランド 伊賀牛・・・松阪と同じく三重が産地。盆地特有の気候が育む名ブランド。肉の横綱の異名も 【滋賀県】 近江牛・・・但馬牛がルーツの日本3大和牛。そのブランド名に負けない味は折り紙付き 【兵庫県】 神戸牛・・・日本の最高峰に君臨する不動の名ブランド。但馬牛の未経産・去勢牛のみに限られた肉が特徴 但馬牛・・・門外不出の兵庫県の特産ブランド。高い資質ゆえに全国和牛の元祖 神戸うすなが牛・・・但馬牛・神戸牛は憧れの高級和牛。消費者にもっと手軽に食してもらえるよう精力的に活動 【和歌山県】 熊野牛・・・和歌山県南部にある熊野地方で古くから飼われてきた黒毛和種の和牛で、紀州を代表する高級和牛ブランド 【京都府】 丹波牛・・・「国牛十図」にも記されている伝統の黒毛和種 平井牛・・・「牛は枯れないと美味しくない」30〜36ヶ月の長期肥育と健康にいいお肉が特徴 【大阪府】 大阪ウメビーフ・・・国産の漬け梅を飼料にした特徴的な飼育方法を採用 【徳島県】 阿波牛・・・ 徳島県内で飼育された血統を明確に管理されている黒毛和種 【香川県】 オリーブ牛・・・飼料にオリーブを使用した香川の特産。「コク」と「ヘルシー」の両輪を実現 【愛媛県】 いしづち牛・・・愛媛県西条市で生産されている黒毛和牛雌のブランド牛 【高知県】 土佐赤うし・・・熟成肉(ドライエイジング)に適したブランド和牛和牛大国・九州~沖縄
【福岡県】 小倉牛・・・福岡県北九州市小倉南区で生産される黒毛和牛のブランド。認定されるのは年間100頭程度。知る人ぞ知る逸品 【大分県】 豊後牛・・・大分県で生産される黒毛和種。特に、父親である種牛の血統を重視 【宮崎県】 尾崎牛・・・月間出荷頭数30頭の幻の牛。霜降りの質、赤身の奥深さは他の牛肉を凌駕する。 宮崎牛・・・全国和牛能力共進会4大会連続最高賞受賞の宮崎が誇るブランド牛 八崎牛・・・常識の真逆を極めた「黒毛和牛の放牧」が特徴。シンプルに美味しさを追及し続けている 【熊本県】 熊本黒毛和牛・・・熊本県で育てられた黒毛和種。まろやかな舌触りに高い定評 【佐賀県】 佐賀牛・・・佐賀県が誇る、最高級の和牛。肥沃な大地と肥育農家の卓越した技術で育てられる和牛は国内屈指 【長崎県】 壱岐牛・・・長崎県壱岐島で生まれ育った黒毛和種。年間900頭ほどしか出荷されない希少な壱岐牛 【鹿児島県】 鹿児島黒牛・・・全国の和牛飼育頭数の20%が鹿児島県産。国内最高峰の畜産大国。豊かな風土から最高級の黒毛和牛を生産 マザービーフ・・・大隅半島にある平松牧場が手掛けるマザービーフ。“土から育てる和牛”をテーマに育てられた希少品種 さつま福永牛・・・さつま町で厳選された黒毛和牛の血統にこだわった「さつま福永牛」数々の受賞歴を持つ 西郷どん牛・・・薩摩半島の北西部で髙﨑ファームが育てる黒毛和牛「西郷(せご)どん牛」は、高い品質を目指したきめ細かいサシが美しい。 【沖縄県】 石垣牛・・・沖縄県の八重山諸島で飼育されている黒毛和種。各国首脳の舌を唸らせたジャパンブランド全3回に渡ってお伝えしてきました「日本が誇るブランド牛」 その長い歴史から生み出されてきた「日本の国宝」ともいえる和牛。そして、熱き生産者が育て上げる独自のブランド牛をご紹介してきました。数ある中で、是非ご自身の 推しの、大好きな国産ブランド牛を見つけてみてください。