知ってました?牛乳パック上部の「へこみ」の秘密

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知ってました?牛乳パック上部の「へこみ」の秘密

皆さんは牛乳パックをスーパーなどでよく見かけると思いますが、牛乳パックの上部に「へこみ」があることをご存じでしょうか? 実はこの「へこみ」、多くの理由が隠されています。 日常生活で何気なく目にするこの部分には、どのような工夫が施されているのでしょうか。 本コラムでは、「へこみ」の歴史や機能、そしてその利便性について詳しく探っていきます。

「へこみ」=切欠きの歴史と理由

この「へこみ」は切欠きと言います。 牛乳パックにある切欠きは、視覚障害者が牛乳と他の飲料を区別しやすくするために導入されました。 1993年から1995年にかけて行われた調査で、視覚障害者が紙パック飲料の区別に不便を感じていることが明らかになり、その結果、2001年からバリアフリー対応容器として切欠きが導入されたんです。

切欠きがついている理由

1.視覚障害者への配慮:視覚障害者が触覚で牛乳と他の飲料を区別できるようにするため。
2.開け口の識別:切欠きの反対側が開け口であることを示すため。

切欠きがついている商品

切欠きですが、全ての牛乳についているわけではありません。 切欠きがある牛乳とない牛乳の違いは、「生乳100%の種類別牛乳」かそうではないかということです。

もう少し詳しく説明すると、切欠きは「生乳100%の種類別牛乳」の紙パック(500ml以上)にだけつけられているので、「種類別加工乳」や「種類別乳飲料」には切欠きはありません。
生乳100%の牛乳では、森永のおいしい牛乳、よつ葉牛乳、北海道牛乳、常陸の郷牛乳など。

切欠きがついていない商品

切欠きがついていない商品では、
成分調整牛乳:低脂肪牛乳や無脂肪牛乳など、成分が調整された牛乳。
加工乳:牛乳に乳製品を添加したもの。
乳飲料:コーヒー牛乳やイチゴ牛乳など。

ただし、この切欠きをつけることは義務ではなく、メーカーの任意とされているので全ての「生乳100%の種類別牛乳」につけられているわけではありません。 牛乳を選ぶ際の参考にしてみてくださいね!

殺菌温度の違い

牛乳パックの切欠きやその利便性について詳しく見てきましたが、牛乳そのものの品質を保つためには、殺菌方法も重要な要素です。 ここでは、牛乳の殺菌温度の違いについて触れてみましょう。

1.低温殺菌(LTLT): 63℃で30分間加熱する方法。低温で殺菌することで、タンパク質の変性が少なく、生乳本来の甘みや風味が保たれます。

2.高温短時間殺菌(HTST): 72℃で15秒間加熱する方法。栄養価を保ちながら、保存期間を延ばすことができます。

3.超高温瞬間殺菌(UHT): 120~150℃で2~3秒間加熱する方法。長期間保存が可能で、日本の牛乳の多くがこの方法で処理されています。

牛乳パックの切欠きから殺菌方法まで、牛乳には多くの工夫と技術が詰まっています。 これらの工夫が、私たちの日常生活をより便利で安全なものにしてくれているのです。 次回、牛乳を手に取るときには、ぜひその背景にある技術と工夫に思いを馳せてみてください。